引用
86
リアクション
"つまり、貿易赤字になった最大の理由は、エネルギー輸入額の急増なのだ。これは第二次石油危機で貿易赤字になった七九年、八〇年と同じ構造といえる。 だが、当時と違うことがある。三十一年前は貿易赤字になると共に、経常収支も赤字になったのだ。つまり、石油危機で価格が急騰した原油を海外から買うために資金のやり繰りが必要になったわけだが、当時の日本にはまだまだ対外純資産など取り崩せる貯蓄がなかった。街角のネオンサインを消して電力消費を抑えるなど、「省エネ」を進めざるをえなかったわけだ。 だが、一一年は貿易赤字にはなったものの、経常赤字にはなっていない。財務省の国際収支状況の速報値では、経常収支は九兆六千億円の黒字だ。前年の十七兆一千七百六億円に比べれば四四%の減少だが、黒字を保っているのである。"